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Jul 25, 2018

真夏のビッグイベント「8耐」参戦ライダー達の私的バイクライフ Vol.1 柳川 明 選手、濱原 颯道選手、酒井 大作選手

今年で41回目を迎える「“コカ・コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース」。毎年、たくさんのドラマが生まれる“真夏の祭典”の主役は、長時間に渡る過酷なレースで、灼熱の日差しに負けない熱いバトルを繰り広げるライダーたちだ。サーキットで誰より「速さ」を追求する彼らは、プライベートでは、一体どんなバイクライフを送っているのだろうか?

そこで今回は、7月10~12日にかけて鈴鹿サーキットで行なわれた8耐最終テストに潜入取材。今年の注目参戦ライダーたちに、普段のオートバイとの付き合い方について、ざっくばらんに語ってもらった。私服インタビューでの柔和な表情が、テスト時のレーシングピットでは一転、プロライダーとしての鋭い顔つきを見せる対比にも、ぜひご注目を。

チーム阪神ライディングスクール(#87) 柳川 明 選手

「いま持ってるナンバー付きのバイクは一台だけで、カワサキのZRX1200ダエグです。もう2回か3回車検を通したから、結構長く乗ってますね。プライベートでは、娘や息子とタンデムツーリングが多いんですよ。二輪免許ってだいたい16歳とか18歳で取る人が多いでしょう? その年代がいちばんバイクに乗りたい年頃じゃないですか。でも僕は最初にレースを始めたから、十代の時はお金がなくてナンバー付きのバイクを買えなかったんです。今はその反動で、『せっかくあるなら、乗らなきゃもったいない』って感じで(笑)。娘も息子もアメリカに留学してるので、最近は友達と一緒に乗ることも多くなりましたけど、子どもたちが日本に帰ってきているときは週末の早朝によく走りに行ったりしていますね。
ツーリングに行く時もウエアはヒョウドウ、ヘルメットはショウエイのジェットヘル。レースの時と同じメーカーを使うことが多いです。バイク専用ウエアってゴテゴテしていたり、そのまま店にご飯を食べにいくのを躊躇しちゃうデザインも多いんですけど(笑)、ヒョウドウさんのウエアはデイリーに着やすいものが多いんですよ」

柳川さんの家族愛はファンにもよく知られている。スマホの写真フォルダにはお子さんたちの写真がいっぱい。

「子どももバイクの後ろに乗るのが好きだし、ツーリング仲間もいるので、プライベートでひとりで走りに行く機会はなかなかないんですよ」

「うちのチームが参戦するのは、SST(スーパーストック)
クラスという車両の改造範囲が狭いクラス。年々参加台数が増えて、今年は有力チームも多いのですが、もちろんクラス優勝を目指して頑張ります! 『チーム阪神ライディングスクール』としては2年目だし、去年は僕、夜間走行で転んじゃったので、今年はそういうことがないようにしないとね」

Honda Dream RT 桜井ホンダ(#72) 濱原 颯道選手

「二輪免許は持ってて限定解除もしてるけど、いま自分のオートバイは所有してないんです。欲しいバイクがなかなか決まらなくて、いつも物色中というか(笑)。なかなか街中で乗るタイミングもないし、維持費を考えたりするとなかなか手が出なくて。買うなら快適に乗れるゴールドウイングが欲しいですね。(8耐で乗る)CBR1000RRですか? サーキット走行なら最適ですが、プライベートで街中を走るなら、違うバイクがいいかな?街中ではもっと乗りやすいバイクがありますから。あと僕の場合は背が190cmあるので、スーパーバイクはバイクが小さく見えて不格好な見た目になっちゃうんですよ。
オフを走るならオフ車が欲しいし、街中で乗るなら街中で走って楽しいバイクがあるので、本当は用途に合わせて何台も欲しいですね。プライベートで乗るときに感じるバイクの魅力は、やっぱり“解放感”。バイクウエアにこだわりはないですけど、街中だとウインカーを出したり、サーキットよりも指先の操作が増えるので、グローブにはこだわりますね。いつもモトクロス用の操作性のいいグローブを使っています」

本日着用のお気に入りアイテムは、濱原さんのオリジナルTシャツなどでキャラクターイラストを描いてもらっている“ILLUST & DESIGN JOY”さんのTシャツ。

「今年のチームメイトの伊藤(真一)さんのことは、僕がミニバイクに乗ってた小学生の頃から知ってるんですよ。怒るところはちゃんと怒ってくれるので、すごく勉強になるし、おもしろいです。チームの8耐にかける思いや、お客さんの熱の入り方とかをすごく肌身で感じているので、自分にやれることを全てやりきって頑張ろうと思います」

BMW Motorrad39(#39) 酒井 大作選手

「いまはBMWのR nine T アーバンGSに乗っていて、この間も8耐参戦に向けた応援ツーリングをチームで企画して、ファンのみなさんと四国を走ってきたところです。僕らのチームは『共に歩もう… その先へ… 感動が報酬だ。』というキャッチコピーを掲げていますが、プライベーターチームですし、つねに応援してくださる皆さんと一緒に戦っている感覚があるんですね。8耐ってすごくしんどいもので、途中で『もうムリ』って思うような究極のシチュエーションが何回もある。だからって諦めるわけにも、ピットに戻るわけにもいきません。そういう時、やっぱファンの皆さんの応援してくださる声とか、笑顔とか、そういうツーリングとかで一緒に過ごした時間とかが、すごくライダーを後押ししてくれるんです。もうほんとね、人間しんどいときって弱ってるときじゃないですか。レースもつねに、『もうあかん!』と『いや、でも!』の繰り返しですからね(笑)。もちろん、実際に走るのは僕らライダー3人ですけど、過酷な状況の中、最後の最後に自分を奮い立たせてくれるのは、ファンの皆さんの存在。なのでプロライダーとして、サーキットで速く走るだけじゃなく、プライベートでのツーリングも、ファンの皆さんありきの部分がありますね」

数年前の誕生日に奥さんからプレゼントされたリュックは、ツーリングはもちろん、普段から愛用するお気に入り。

「ライダーたる者、ライディングはもちろん、スタイルもカッコ良くあるべしって気持ちが強いんですよ。いま乗ってるアーバンGSは専用パニアケースがあるからいいけど、収納を増やしてバイクのスタイルが崩れるくらいなら、肩が凝ろうが、腰が痛くなろうが、リュックを使う方がいいですね」

「ブリヂストンさんには、一昨年も昨年も素晴らしいパフォーマンスのタイヤを提供していただいたんですが、何が起こるかわからないのが8耐。残念ながら2年連続の転倒で、悔しい結果に終わりました。今年は耐久レースの実績がある、新たなパートナー2人と一緒に挑戦しますが、彼らは間違いなくいい仕事をしてくれるはず。スターライダーが大勢いる中で、我々3人は職人みたいなええ年のおっさんライダーですけど(笑)、これまで培ってきた経験、職人ワザの走りに注目していただきればと。気がつけば「お、来たな!」と思っていただける展開で、8時間後のゴールを迎えたいと思います。ぜひ期待してください!」

選手達の熱い走りは”EWC/鈴鹿8時間耐久ロードレース 速報”をご覧ください。

Profile

撮影/阿部昌也 取材・文/齋藤春子

Tire Information

RACING BATTLAX V02
RACING BATTLAX V02
商品詳細